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ふくわらい 西 加奈子 著について

 



紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめする

ベスト30「キノベス!2013」が決定しました!

「キノベス!」は紀伊國屋書店スタッフが自分で 読んでみて

面白かったのでお客様におすすめしたい本を選定(※)するものです。

本年度のベスト10と第1位に輝いた西加奈子さんのコメントを紹介します。

※2011年12月以降出版された新刊(文庫化タイトルを除く)の中から、

ベスト30を選定。

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ノベス第1位を受賞した『ふくわらい』の西加奈子さんから

特別コメントを頂きました。

プロレスラーを書きたいな、と思っていました。

スター選手ではない、自分の才能や体力の限界を知っているレスラーです。

彼らは、「八百長だ」、「スポーツじゃない」などという、

ある種の胡散臭さを引き受け、野次られながら、リングに立ちます。

そして自分の人生だけでなく、観客の人生をも背負って、傷だらけで、

本当に傷だらけで戦います。

そんなレスラーの、深い哀愁と人間臭さを体言した人間が、守口廃尊です。

そして、哀愁や人間臭さを、まったく知らずに育った人間、

だからこそ知らぬ強さで、全てをまっすぐ受け入れる人間が、

鳴木戸定です。彼女は廃尊のように、体を使って戦いはしませんが、

まっすぐな分、やはり傷だらけで、生きています。
私はふたりのことを、心から慕い、焦がれながら書きました。

ふたりがあまりにも眩しすぎて、時折、著者である自分から、

遠く離れた場所へ行ってしまうこともありました。

ですが、定が思う「顔って何だろう?」、

廃尊が思う「言葉って何だろう?」、

そして二人が思う、「自分はどうして、あの人でも、猪木でもなく、

自分だったのだろう?」という疑問は、まぎれもなく、私が思っていることでした。

私は、自身の疑問をふたりに委ね、だから物語に寄り添い、

時々泣きながら、「ふくわらい」を書きました。

完成したときも泣きましたが(照)、

それは「小説を書き終えた」という感慨より、「

自分が自分で産まれてきたこと」に、その、まるっきり奇跡みたいな事実に、

圧倒されたのだと思います。
「ふくわらい」が、こんな素晴らしい賞の1位になれたことも、

大きな大きな奇跡です!

もちろん、1位になったことは、本当に嬉しいことですが、

私は何より、皆さんが、皆さんの体と心で、

この本を読んでくださったことを、ずっと考えています。

ずっとずっと考えています。

「あなた」として生きていてくださって、本当に、ありがとうございます。

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紀伊國屋書店さんの書評です

感想を言葉にする前に、心が、体が、深く満たされて素晴らしさを実感する、

小説であるのに言葉がたちうちできない、そんな作品だ。

ひとは、人と人との間にあるから人間というのだと聞いたことがある。

愛しさやもどかしさ。汗のにおい、涙のきらめき。

他人とつながることで自らの感情は溢れ、感覚は冴え、

心と体の輪郭を意識する。

自分という存在が、生きるということが確かなものになる。

人間であるとはどういうことかを作品にした、

実はとんでもないことをやり遂げた小説だと思った。

だから理屈じゃなく根源的なところが揺さぶられる。

西加奈子はすごいことになった。
(新宿本店・今井麻夕美)

ふくわらいをするように目隠しと手さぐりで選んできた今までを振り返ってみて、

それが失敗してもいびつでも、まるごと笑って認めて愛して

あげられたらいいと思う。

西さんありがとう。

私も世界を愛せるかもしれません。

(札幌本店・魚井伸香)

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